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油圧ポンプのメンテナンス:エア抜きの重要性

油圧ポンプは、産業用機械や建設機械、農業機械、フォークリフトなどの大きな力が求められる設備に使用されています。

適切なメンテナンスを怠ると、性能低下や故障の原因となるため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。特に重要な作業のひとつが「エア抜き」です。本記事では、油圧ポンプのエア抜きについて詳しく解説します。

油圧ポンプとは

油圧ポンプは、エンジンやモーターの運動エネルギーを流体エネルギーに変換する装置で、油に圧力をかけて吸入・吐出を行います。これにより、大きな力を生み出すことが可能になります。

油はサビにくく潤滑性が高いため、水圧や空気圧を利用したポンプよりも大きな圧力をかけやすいという特徴があります。

油圧ポンプのエア抜きとは

油圧ポンプは高圧をかけることで動作しますが、配管内に空気が混入すると圧力が低下し、性能が落ちる原因となります。そのため、ポンプの圧力を正常に戻すために「エア抜き」を行います。

エア抜きの手順

  1. エア抜き弁を利用
  • シリンダー内の空気は、ピストンをゆっくりと数回往復させてエア抜き弁から除去します。
  • 配管内の空気はリリーフ弁を操作し、最も低い圧力に調整してエア抜き弁から排出します。
  1. エア抜き弁がない場合
  • ジョイントなどの接続部を少しずつ緩め、空気や油が一気に噴き出さないよう注意しながらエア抜きを行います。
  1. 点検と確認
  • 空気はポンプ吸入側の配管の緩みやサクションフィルターから混入することがあるため、エア抜き時にこれらも併せて確認します。

どのような場合にエア抜きを行うのか

1. オイル交換後

オイル交換時やオイル不足の際に、ポンプがエアを吸い込むことがあります。その結果、圧力が上がらなくなったり、脈動が発生したりするため、エア抜きを実施しましょう。

2. 異音が発生したとき

油圧ポンプから異音が発生する場合、配管内の汚れやサクションフィルターの目詰まりが原因の可能性があります。異音が発生した際は、エア抜きを含めた点検が必要です。

エア抜きを行わないとどうなるのか

エア抜きを行わずに空気が配管内に残ると、十分な吐出圧や流量を得られず、ポンプの能力低下につながります。この状態を「エア噛み」といい、最悪の場合、ポンプが破損する恐れもあります。

エア抜きは、作業効率を向上させるだけでなく、設備の寿命を延ばすためにも欠かせないメンテナンス作業です。

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今回は、ポンプの定期メンテナンスの重要性についてご紹介いたしました。

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